第283章 紗雪のすべても彼のもの

紗雪はその言葉を聞いて、信じたのか信じていないのか、自分でも分からなかった。

しかし、事はすでに起きてしまったのだから、今さら朔也を責めても仕方がない。

結局のところ、彼もまた嵌められた一人なのだから。

昨夜、もし自分がちょうどあの飲み物を手に取っていなければ、雫か、あるいは陸斗が飲んでしまっていたかもしれない。

そんな結末を、紗雪は想像するだに恐ろしかった。

朔也は彼女をなだめるように言った。「安心しろ。香奈の件は、俺が必ず処理する。決して甘い顔はしない」

紗雪は頷き、ふと何かを思い出した。

彼女はためらいがちに口を開く。「浅見家と風間家には、もう一つの関係性があるわ。風間お...

ログインして続きを読む