第321章 唯一無二

 しかし朔也は手を離さず、紗雪に言った。「パーティーが終わるまでまだ一時間以上ある。君は主役なんだから、後で客をもてなさないといけないだろ。今手当てしておかないと、歩くときに痛い思いをするのは君自身だ。だから、動かないで。いい子だから」

 彼が彼女に話しかける口調は、まるで二人の子供をあやすかのようだった。

 それに、言われた言葉は紗雪に拒否させないものだった。

 朔也はどこからともなく軟膏のチューブと新しい絆創膏を取り出した。

 紗雪は驚きを隠せない眼差しで訊ねる。「あなた……これはどこから?」

 朔也は彼女に薬を塗りながら、臆することなく答えた。「もちろん、君の家の使用人に頼ん...

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