第329章 彼を奪われるのを恐れる

颯真は紗雪の挨拶を聞くと、親しげに彼女の腕に絡みつき言った。

「本当に久しぶりだね、会いたくて死にそうだったんだから! 帰国してから一度も来てくれないし! もしかして、イケメンに囲まれて蜀での日々を忘れるくらい楽しんでて、私のことなんか忘れちゃったんじゃないの!」

 紗雪は苦笑し、慌てて説明した。

「そんなことないわ。私のこと知ってるでしょう、あなたと同じで仕事がすごく忙しいの」

 それを聞いた颯真は、また心配そうな表情になった。

「ベイビーちゃん、本当に大変だったのね。そんなに疲れてるなら許してあげる……」

 車内にいる朔也は、全身から低い威圧を放ち続け、その顔はひどく沈んでい...

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