第335章 触れたのは、すべて彼の逆鱗

朔也の心臓は、この時もまだ激しく高鳴っていた。

彼は紗雪を迎えに来たのだが着いた途端、彼女がぐったりと倒れ込む場面を目にしてしまったのだ。

自分が間に合って、彼女を腕の中に抱きとめられたことを幸運に思った。

ただすでに意識を失い、昏倒してしまった紗雪を見つめる朔也の顔は、墨のようにどす黒く沈んでいた。

「どういうことだ?!」

彼は低い声で問い詰めた。

颯真はその男の鬼気迫る顔つきに、慌てて言った。「彼女、きっと疲れすぎてるのよ。まずは休憩室に運んで。私が診てあげるから」

朔也はそれを聞くと、ぐずぐずしていられず、すぐに彼女を横抱きにして休憩室へと連れて行った。

ほどなくして、...

ログインして続きを読む