第339章 ずっと待っている

紗雪は、心臓のあたりを何かにそっと触れられたような感覚がした。

朔也を見つめるその眼差しも、和らいでいく。

認めざるを得ない。この男は、人を好まない時は薄情で冷酷非情を極めることができる。

けれど、誰かを好きになった時は、その優しさで人を隙間なく包み込み、その存在感を決して無視させないのだ。

夕食後、紗雪は子供たちを連れて智也の見舞いへ向かった。

案の定、そこには雫の姿があった。

彼女は午後に一度帰って数時間眠り、夕食を済ませると、また研究所に戻って付き添っていたのだ。今は智也の手を拭いているところだった。

「雫おばさん、こんばんは!」

二人の子供は行儀よく挨拶すると、すぐに...

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