第349章 チャンスをください

その言葉に紗雪は思わず景を見つめ、その瞳には驚愕の色が浮かんでいた。

隣の瞬も呆然としている。

聞き間違えたのだろうか?

「景兄さん、む、無理しなくても……」

紗雪は驚きのあまり、言葉がどもってしまう。

まさか景までこんなことを言うなんて、誰も想像していなかった。

しかし景は、優しく紗雪を見つめ、穏やかな口調で言った。「心配しないで。この件に関して、無理をしているつもりはないから」

沢夫妻、そして司は、最初の驚きが過ぎ去ると、何か思うところがあるようだった。

彼らは景という人間をよく知っている。

その性格は見た目は温厚で物腰が柔らかいが、実際には、一度決めたことは誰にも容易...

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