第366章 心の中で、やっぱり彼が好き

紗雪は瞳孔がきゅっと縮まり、唇を固く結んだまま、何も言葉を発することができなかった。

彼女自身も分かっていた。二度の妊娠は、状況が違うのだと。

しばらく沈黙した後、彼女は目を閉じ、やっと口を開いた。「それに、父さんや母さんに陰口を叩かれたくない……」

両親が一生をかけて築いてきた名声が二度までも自分のせいで汚され、後ろ指をさされるなんて、どうして耐えられようか。

雫はため息をつき、彼女を見つめた。「それなら、選択肢は一つしかないじゃない? 朔也と復縁するのよ!」

紗雪は頷きもせず、首も横に振らなかった。

朔也は彼女をどん底に突き落とし、危うく這い上がれなくなりかけた穴だった。

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