第376章 この人生で彼だけが好き

清伊はそれを聞くと、怒りのあまり爪が手のひらに食い込んだ。

彼女は憤然として問い詰める。「浅見家は、一体どういう娘の育て方をしてるの? たとえ香奈が以前、外で育てられていたとしても、家に連れ戻したならきちんと躾けるべきでしょう。あんな下劣な手を使うなんて、本当に恥知らずだわ。あなたまで巻き込んで!」

言い終えると、清伊は自身の娘にも腹を立てた。「こんな大事なことを、どうして忘れられるの!」

紗雪は罪悪感に苛まれ、俯いて小声で謝った。「ごめんなさい、お母さん。私の記憶力がなくて、お母さんとお父さんに恥をかかせてしまいました」

清伊は娘の眼差しを見て、不憫さとやるせなさを感じた。

この...

ログインして続きを読む