第430章 彼女を裏切ってはいけない

雫は、自分がここに留まる意味がまだあるのか、分からなくなっていた。

智也はもう、自分を必要としていない。

彼女は俯き、目頭が熱くなるのを感じたが、どこか諦めきれない気持ちもあった。

紗雪と約束したのだ。自分のために努力すると。

それなのに、まだ何もできていない……。

だめ、このまま諦めるわけにはいかない!

もう少しだけ頑張ってみよう!

そう思い直すと雫は再び感情を抑え、気丈に振る舞うことにした。

紗雪はそんなことを知る由もなかった。

午前中は母親に付き添って休ませた後、彼女は朔也のもとへ行き、帰国の日程について相談した。

「智也兄さんも目を覚ましたし、帰国してもリハビリは...

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