第454章 懐かしさに夢中

智也はその光景を目に焼き付けた。雫の瞳に宿った、一瞬の鮮やかな煌めきを。

なぜだろうか、その瞬間、彼の心臓も何かに弾かれたように跳ねた。

女には頼らないという元々の信条が、ふいに揺らぐ。

彼は目を伏せて雫を見つめた。まるで、初めて彼女を見たかのように。

しばらくして、ふっと笑みがこぼれた。

雫も彼の低い笑い声で、はっと我に返る。

自分の失態に気づき、彼女は少し恥ずかしそうに俯いた。

智也と音が付き合っているのが嘘だとしても、彼が自分を好きではないこともまた事実なのだ。

自分は何をそんなに喜んでいるのだろう? もしかしたら彼の心の中では、自分は妹のような存在にすぎないのかもしれ...

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