第516章 身の程をわきまえろ

雫は断らなかった。

彼女は九条グループの令嬢ではあるが、お嬢様然としたところは一切なく、同僚たちとの関係も良好だった。

しかし、いざレストランへ向かおうとした時、会社の玄関口で、見覚えのある人物を目にするとは思いもしなかった。

雫にしてみれば、相手とはそれほど親しいわけでもない。

彼女は気づかないふりをして、同僚たちとそのまま立ち去ろうとした。

だが、秀はすでに彼女に気づいており、すぐさま雫めがけて駆け寄ってきた。

まさか自分目当てで来たのでは、と雫が思った矢先。

次の瞬間、秀は彼女の目の前まで突進してきただけでなく、なんとその場でいきなり跪いた。雫は思わず度肝を抜かれる。

...

ログインして続きを読む