第518章 待ってて

 雫もまた、すぐに智也の電話番号をタップした。

 その頃、智也はまだ会議中だった。

 他の人からの電話であれば、彼が気に留めることはまずない。

 しかし、着信画面に表示された名前は雫。彼は即座に会議を中断し、皆に告げた。

「先に食事に行ってくれ。続きは午後からだ」

 そう言うと、彼は傍らへ移動して電話に出た。

 雫がこの時間に電話してくるなんて、一緒に昼食でもどうかという誘いだろうか?

 そんなことを考えていた矢先、電話が繋がるなり、雫の棘のある声が聞こえてきた。

「智也さん、今すぐ九条グループまで来てもらえませんか?」

「今から?」

 智也は少し戸惑った。

 雫の声が...

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