第10章

薄宴沉にとって、圭人は己の命よりも重要だった。

陸北は頷く。「では、この件は私にお任せください。人探しは私が」

圭人の病状だけでも、薄宴沉の心はかき乱されていた。

それなのに、朝起きれば、目を付けていた土地が一夜にして何者かに買い占められていたのだ。

彼はこのビルの買収のために多額の投資を行い、関連する契約も十数件結んでいた。

控えめに見積もっても、今回のグループの損失は少なくとも六百億に上るだろう。

薄宴沉はズキズキと痛むこめかみを揉んだ。

この件は、本来なら十中八九、成功するはずだった。

この土地についてはとっくに話を通してあったし、現地の環境も視察済みだ。

間違いなく、...

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