第16章

藤堂光瑠は、お酒を売るだけ、恥ずかしいことなんて何もない、と自分に言い聞かせた。

どこへ行っても学歴が求められるこの時代、学歴のない彼女が満足のいく仕事を見つけるのは本当に難しかった。

そう思うと、彼女は思わずため息をついた。

元々は大学に合格していたのだ。しかし、養父母が実の娘のために、彼女の合格通知書を破り捨ててしまった。

そして、妹の代わりに足の不自由な薄井宴に嫁ぐよう強要したのだ。

考えれば考えるほど辛くなり、藤堂光瑠はこめかみを揉み、過去のことはもう考えないと自分に言い聞かせた。

今一番大事なのは、急いでお金を稼ぐことだ。

これから息子の学費も必要になる。

藤堂光瑠は...

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