第175章

「おい! 起きなさい!」

 藤堂光瑠は彼を自分の家に帰って寝てほしいと思っていた。

 しかし、口で言い、手で叩き、足で蹴り、声を潜めて叫んだり叩いたり蹴ったりしても、彼を起こすことはできなかった。

 一方はてんやわんや、もう一方は微動だにしない。

 薄井宴が彼女に返した最大の反応は眉をひそめたことだけで、そして……それっきりだった。

 まぶた一つ動かさない。

 彼を起こして家に帰らせるのは不可能だと悟った藤堂光瑠は、周と加賀景城に電話をかけた。

 彼らが迎えに来てくれることを願って!

 しかし、彼を送り込んできたのはその二人による『密謀』なのだから、彼女の電話に出るはずもない...

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