第189章

藤堂太郎は寝室を出て、藤堂光瑠を探しに行った。

すると、ドアの外から藤堂光瑠の怒鳴り声が聞こえてきた。

彼は急いで寝室のドアを閉めた。次郎に聞かれて暴走し、事を仕損じないようにするためだ。

太郎は一人でドアのそばへ行き、小さな踏み台を持ってきてそれに乗り、ドアスコープから外を覗いた。

薄井宴?!

太郎の心臓がドキリと跳ねた。どうしてこんなに早く来たんだ?

彼はもう一度ドアスコープから外を覗き、薄井宴の隣に周がいるのを確認したが、ママの表情は見えず、後頭部しか見えなかった。

藤堂太郎は眉をひそめ、ドアの内側に立って聞き耳を立てた。

ドアの外。

薄井宴が押しか...

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