第236章

 薄井宴は振り返り、一緒に来た周を見ると、その表情は一変し、ひどく険しいものになった。

「あの馬に何があったのか調べろ。なぜ、何の前触れもなく突然暴れ出したのか! 馬場の人間を全員拘束し、一人ひとり尋問しろ。

清水江と清水喬月の母娘も呼んでこい。奴らの目の前で調べ、奴らの目の前で問いただすんだ! この馬たちが自ら狂ったのか、それとも何者かが意図的に狂わせたのか、見届けてやろうじゃないか!」

 彼はそう言い放つと、鼻をすすって泣いている三郎を抱き上げ、藤堂光瑠に言った。

「先に馬場で待っていよう」

 家は取り壊されてしまったのだから、馬場に行くしかない。

 藤堂光瑠は急いで頷き、弱...

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