第246章

「もうバレている」

 薄井宴はそのメッセージを周防影に転送した。

 周防影はそれに一瞥をくれ、眉をひそめて顔を上げた。冷たい視線が前方の夏川甘に向けられる。

 ちょうど彼女がポケットにスマホをしまう動作が見えた。

 津上は北部に位置するため、冬はもともと寒いが、夜はさらに冷え込む。

 夏川甘は厚手のベージュのロングダウンコートに身を包み、道端で信号待ちをしていた。スマホをポケットに突っ込むと、両手をこすり合わせて口元に運び、はぁっと息を吹きかける。寒さにはしゃいでいるようだ。

 彼女がその場で足踏みするのに合わせ、フードについている二つのウサギの耳がぴょこぴょこと揺れる。

 ぱ...

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