第267章

 三人が口を開く前に、藤堂光瑠はさらに言葉を続けた。

「本当に圭人のことを思うなら、わざわざうちから連れ出す必要なんてないはずです。圭人はここにいれば、私がちゃんと面倒を見ますから。圭人のパパも、だからこそ安心して私に預けてくれたんです」

 薄井昌山は藤堂光瑠の言葉の裏にあるものを読み取り、目を細めた。

「もうあの男を盾に我々を脅すのはやめてもらおう。奴はもう出てこられない」

「そんなことありません。今日、釈放されました。朝にも会いましたし、今夜は圭人を連れて本家に戻って、皆さんと年越しのご飯を食べるって言ってました」

 薄井昌山は冷ややかに鼻を鳴らした。

「それはお前を騙すため...

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