第280章

薄井宴は冷ややかに言った。

「これは俺と彼女の間の問題だ。お前には関係ない。それにサインして、別途彼女に二千万渡せば、今日の件は水に流してやる。同意しないなら、別の手段で彼女の治療費を請求するまでだ」

 その言葉には、脅しの色が濃く滲んでいた。薄井昌山の顔がみるみるうちに曇っていく。

 薄井宴が『別の手段』で治療費を請求するとなれば、彼にとって、今の解決策よりも遥かに残忍で恐ろしいことになるのは間違いない。

 しかし、この2%の株式は、殺されるよりも痛い。

 薄井昌山はしばし沈黙し、探るように口を開いた。

「私の部下が彼女を傷つけたのだから、治療費を払うのは当然だ。二億ではどうだ...

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