第289章

「ええ、今のところ罪を恐れての自殺と見られています」

 藤堂光瑠は慌てて涙を拭った。

「つまり、犯人はもう捕まったということですか?」

 薄井宴は事実をありのままに告げた。「彼女は身代わりだろう」

 彼も圭人も、あのメイドとは何の恨みもなかった。メイドには圭人を毒殺する動機がない。

 彼は、あのメイドが真犯人によって殺害されたのではないかと疑っていた。

 犯人は意図的にメイドが罪を恐れて自殺したかのような偽装工作を行い、彼女が毒を盛ったのだと自分に誤解させようとしているのだ!

 つまり、犯人はメイドに罪をなすりつけている!

 藤堂光瑠はそれを聞くと再び不安に駆られ、震える声で...

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