第310章

薄井宴はますます狐につままれたような顔になった。太郎、次郎、三郎は藤堂光瑠と同じく、あの男を見て驚き、慌てふためいている!

 しかし、彼に対して敵意はない。つまり、あの男は敵ではないということだ。

 敵でもないのに、なぜ母子をこれほどまでに慌てさせるのか?

 藤堂光瑠とあの男の間には、間違いなく何かがある!

 薄井宴は眉間をきつく寄せ、問い詰めた。「一体何をそんなに緊張している?」

 藤堂光瑠は息を切らし、長いまつ毛をぱちぱちと瞬かせた。

「わ、私、緊張なんてしてません!」

 薄井宴は眉をひそめる。「緊張が顔に書いてあるぞ。正直に言え、お前とあいつは一体どういう関係だ?」

「...

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