第316章

薄井宴が立ち去ると、子供たちはすぐに藤堂光瑠の部屋のドアの前へと駆け寄った。

 太郎がドアをノックする。

「ママ、あの人、口から出まかせを言っただけだよ。本当に圭人を連れて行く気なんてないから、そんなに落ち込まないで」

 圭人は険しい顔つきで言った。

「ママ、僕の同意なしに、あの人は僕を連れて行けない。安心して」

 浮気相手宝は「うわーん」と泣き出してしまった。

「ママ、もう行っちゃったよ。ドア、開けてくれない?」

 藤堂光瑠は部屋の中で涙を流していた。本当に辛かったのだ。

 浮気相手宝の泣き声を聞いて、彼女は慌てて涙を拭い、ドアを開けた。そしてまず三郎を抱き上げてあやす。

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