第348章

北条睦月のアシスタントは呆然と話を聞いていた。驚きと、思いがけない好意に戸惑うばかりだ。「?!」

なにしろ彼らは薄井宴の身分を知っているし、彼に会った回数も少なくない。だが、彼の方から、しかも笑顔で話しかけられるなんて、これが初めてだったのだ!

薄井宴は北条睦月のアシスタントを混乱させただけでなく、彼の視界に入る者すべてを混乱の渦に巻き込んだ!

彼は自らエレベーターのスタッフに話しかける!

自ら病院にいる患者の家族に話しかける!

自ら車椅子に座って階下で談笑している老人に話しかける!

果ては病院の清掃のおばさんにまで、「俺の息子の母親は、藤堂光瑠って言うんだ!」と声をかける始末。...

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