第353章

夏川甘は彼に手を振ると、後部座席のドアを開けて乗り込んだ。

「こんな夜遅くに、何か急用?」

先ほど薄井宴からメッセージが届き、階下で会おうと誘われたのだ。

薄井宴は答えず、逆に問い返した。「藤堂光瑠は寝たのか?」

「私が出てくるとき、彼女はまだ子供たちの様子を見てたわ。今夜は実家に泊まるって言ってあるし、あなたの言う通り、あなたが呼んだことは話してない。彼女も疑ってなかったわ」

「助かる!急いで帰るのか?急がないなら一杯付き合わないか」

夏川甘はきっぱりと断った。

「私たち二人きりじゃまずいでしょ。次は瑠ちゃんも誘って。それに私も早く帰らないと。従姉妹が実家で待ってるの。用件を...

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