第363章

薄井宴は顔を綻ばせた。

 心の中は蜜を食べたかのように甘く、鬱々とした気分は一掃され、この上なく上機嫌だった。

 以前、巌谷研一と口論になったとき、藤堂光瑠は巌谷研一を庇うことはなくても、彼を窘めることはあった。しかし今回は、百パーセント彼の味方をしてくれたのだ!

 今彼女がそばにいないのが残念でならない。もしいたら、抱きしめて思いっきりキスをして、この小さな口がどうしてこんなに甘い言葉を紡げるのか確かめてやるのに!

「一度口にしたことは取り消せないぞ。これから俺が外で嫌な目に遭ったら、お前が俺のために出てきてくれるんだからな!」

 藤堂光瑠は実に男前だった。「うんうん」

 価値...

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