第365章

薄井宴は足を止めた。「どうした?」

 藤堂光瑠は眉をきつく寄せ、荒い息で彼を見つめていた。

 彼は太郎の実の父親、直系の親族なのだ!

 直系親族間の輸血は、深刻な副作用を引き起こしやすい。

 だから病院は通常、近親者からの輸血を推奨しない。危険すぎるのだ!

「どなたか、希少血液型が必要なんですか? 私です!」

 巌谷研一が突然現れた。彼は慌てた様子で駆け寄ってくると、わざとらしく驚いた顔で藤堂光瑠を見る。

「なんで君たちが? 誰か何かあったのか?」

 藤堂光瑠は感情が高ぶっており、以前のいざこざなど気にかけている余裕はない。すぐさまかすれた声で尋ねた。

「巌谷さん、あなたは...

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