第389章

藤堂光瑠は薄井宴の腕の中でしばらく泣いてから、ようやく落ち着きを取り戻した。深呼吸をして、薄井宴に向かって言った。

「今日のあの人は私の妹なの。養父母の家の子で、もう何年も会ってなかったから、突然会って動揺してしまって。私……私は彼らとの関係が良くないの」

薄井宴は彼女を抱きしめ、額にキスをして、頭を優しく撫でた。

多くは聞かず、多くは語らず。

藤堂光瑠の藤堂家での体験は彼女の傷跡そのもので、彼女が話したければ静かに聞く最良の聞き手となり、話したくなければ、わざわざその傷跡を暴いて彼女を悲しませることもしない。

藤堂光瑠は鼻をすすり、心を打ち明けた。

「……8歳の時、ランドセルを...

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