第391章

これほどの現金。

全部をテーブルの上にずらりと並べれば、眩しさで目が潰れそうなほどの光景だ。

藤堂家の人間はとっくに椅子から跳ね起きていた。ひとり残らず目を見開き、興奮で身体を小刻みに震わせている。

生まれてこの方、こんな大金をここまで露骨に目にしたのは初めて――そんな顔だった。

一家三人が札束をいくつも掴んで確かめ、喜びを隠しきれないまま、薄井宴と取り巻きの男たちの前で思わず声を上げた。

「本物だ! 本物の札だ!」

「儲かった! 儲かったぞ! 本当に――こんなに!」

薄井宴はスイートの一人掛けソファに深く腰を下ろし、長い脚を組んだまま、冷え切った目でその貪欲な面を眺めていた。...

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