第400章

藤堂光瑠は、はっと息を呑んだ。大きなきれいな瞳が、その場でまんまるに見開かれる。

「――っ!」

目を疑う、とはまさにこのことだった。

この人が、薄井宴?

この人が、自分の夫?

ずっと探していた、離婚相手が……この人だなんて?

そんなの、ありえない――!

信じられないまま、藤堂光瑠は震える声を漏らした。

「あなた……あなたが?」

薄井宴は気まずげに目を伏せる。後ろめたさを隠しきれないまま、低く言った。

「悪かった。前は、おまえに嘘をついた」

藤堂光瑠は浅く息をつきながら、言葉を絞り出す。

「あなた……薄井グループの社長、薄井宴なんですか?」

「……ああ」

「!」

...

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