第404章

薄井宴は車を走らせ、数十キロ離れた海辺へ向かった。

藤堂光瑠がドアを押し開けて降りた瞬間、潮の匂いを含んだ風がふわりと吹き抜け、体の奥にこもっていた熱がすっと引いていく。火照りが散り、体温が目に見えて落ち着いた。

薄井宴が近づいてきて、甘やかすような顔で彼女の手を取る。そのまま海へ向かって歩き出した。

浜には漁船が何艘も並び、ひときわ目立つ水上バイクが一艇、待ち構えるように置かれていた。

薄井宴は漁船にひょいと乗り込み、ライフジャケットとゴーグルを抱えて戻ってくると、光瑠に着せはじめる。

「海の上で遊ぶの?」

光瑠がたずねると、薄井宴は口元に笑みを浮かべた。

「遊ぶのは後だ。先...

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