第407章

洗面を済ませて時計を見れば、もうすぐ午後4時だった。

藤堂光瑠の腹が、ぐぅぐぅと情け容赦なく鳴る。

薄井宴のシャツを羽織ったまま階段を下り、踊り場に差しかかった瞬間――ふわりと食欲をそそる匂いが鼻先をくすぐった。

舌が勝手に反応してしまい、光瑠は足早にキッチンへ向かう。

ところがキッチンに入っても薄井宴の姿はない。ガスもついていない。首をかしげた、そのとき。

外から、幼い叫び声が聞こえた。

子狼の遠吠えみたいな、甲高い声。

好奇心に引かれて外へ出ると、そこには串を焼いている人物がいた。

爽やかな陽気。パラソルの下に炉が据えられ、その上には色とりどりの串がずらり。

薄井宴はビ...

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