第42章

藤堂二郎はそう言い残して去っていった。トイレを出た途端、ちびっ子はころりと表情を変えた。

 鼻歌を歌いながら、ぴょんぴょんと個室へ戻っていく。

 これ以上ないほど上機嫌だった。

 藤堂光瑠と夏川甘は、彼が外から戻ってきたのを見て、とても驚いた。

「次郎、いつの間に外に出たの?」

「たった今だよ。ママを探しに行こうと思ったんだけど、外のおばちゃんがママはもう戻ってきたって教えてくれたから、遠くへは行かなかったんだ」

 本来なら、藤堂二郎が飛び出していっても藤堂光瑠はそれほど心配しない。だが、あの男もここにいるのだと思うと、心臓が喉までせり上がってくるようだった。

 もしあの間男に鉢...

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