第410章

薄井宴が命令を下し、さて一本吸うかと煙草に火をつけようとした、その背後に――太郎と圭人が、いつの間にか立っていた。

兄弟そろって小さな眉を寄せ、真剣な顔で薄井宴を見上げる。口をそろえて言った。

「俺たち……妹がいるの?」

薄井宴は一瞬だけ目を見開き、ライターと煙草をしまう。

「お前ら、まだ寝てなかったのか」

二人は顔を上げたまま、答えを待つ。その視線がまっすぐすぎて、逃げ場がない。

太郎と圭人は勘がいい。今日は薄井宴と藤堂光瑠が島から戻ったばかりで、本来なら六人で落ち着いて“家族の時間”を過ごすはずだった。

それなのに、パーティーの最中に薄井宴は藤堂光瑠を連れて先に会場を出た。...

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