第411章

翌朝――。

藤堂光瑠が目を覚ますと、子どもたちはまだ眠っていた。薄井宴はエプロン姿でキッチンに立ち、朝食の支度をしている。

太郎圭人は明け方になってようやく眠れたらしく、まだ起きてこない。

薄井宴は一晩じゅう眠れなかった。夜が白みはじめるころにはキッチンに入り、嫁と子どもたちに食べさせるものを作っていた。

今度は光瑠のほうが胸を打たれた。キッチンへ入り、後ろからそっと背中に貼りつく。

「こんなに早く起きて……?」

「嫁が起きた瞬間、夫の愛情たっぷり朝ごはんを食えるようにと思ってな」

――娘のことは、光瑠には伏せる。彼女の前で不自然な素振りを見せるわけにはいかない。

薄井宴はそ...

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