第420章

薄井宴は眉間にしわを寄せた。「どういうことだ」

受話器の向こうは興奮を隠せない声だった。

「福の“隣の家”の詳しい情報が掴めました! いま本人が津上にいます。福のこと、絶対に知ってるはずです!」

何日も洗って、ようやく糸口が見えた。

この数日は胃がキリキリするほどの煎熬だった。

雲川市に着いてみれば、当時、鈴川風月が支援教員として赴任していた学校は、もう跡形もない。

楠瀬勝則が言っていた村も消えていた。

地元の話では、二十数年前に火事があって小学校は全焼、村も半分以上が焼けたという。生き残った住民は散り散りに出ていき、村は荒れた。

それから長い年月、豪雨に削られ、土砂崩れなど...

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