第424章

巌谷研一は静かな口調で言った。

「安心してくれ。彼女は無事だ。今から会わせてやる」

そう言うと、彼は視線を落として茶を注いだ。

小舟の中央には小さな火鉢が据えられ、その上で茶がことこと煮えている。脇には簡単な食べ物も並べられていた。

巌谷研一は藤堂光瑠に温かい茶を一杯注ぎ、さらに錠剤を一粒差し出した。

「船酔いするなら、これを飲むといい。まだ数時間は船の上だろうから」

藤堂光瑠は受け取らなかった。うつむいて薬を見た、そのとき――自分の服が着替えさせられていることに気づいた。

目を見開いた彼女が問いただそうとした瞬間、巌谷研一が先に口を開く。

「変なことは考えないでくれ。君に触...

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