第425章

藤堂光瑠がまだ口を開く前に、巌谷研一がふいに首をねじり、彼女を見据えて言った。

「地獄から救い上げられたと思ったら、もう一度地獄に突き落とされた……今度は心も体も、もっと痛えんだよ!」

「…………」

巌谷研一は吐き捨てるように続ける。

「お前には分からねえ。俺だって、いちどは幸せだったんだ。ほんとに幸せでさ。お前が飼ってる太郎次郎三郎みてえに、愛に囲まれて……」

そこで、ぎり、と奥歯を噛みしめた。

「薄井家の連中さえいなけりゃ、俺は今も幸せだった。あいつらが――俺の人生を、全部ぶち壊したんだ!」

声が荒くなる。

「何度も何度も傷つけやがって、何度も何度も、俺の愛した奴らを奪っ...

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