第457章

だが、彼は薄井宴を手っ取り早く殺すつもりはなかった。

自分に殺せる力があるかどうかなんて関係ない。最初から、そういう終わらせ方は考えていなかった。

薄井青山にやられたのと同じだ。猫が鼠を弄ぶみたいに――時間をかけて、じわじわと苦しめて殺す。

薄井宴の子どもを奪い、薄井昌山の手を借りて圭人を重い心の病に追い込み、それで薄井宴を痛めつける。

藤堂光瑠を利用して薄井宴を痛めつける。

宝を利用して薄井宴を痛めつける。

薄井宴が苦しむなら、何だってやる。

……その挙げ句に、突きつけられたのは「お前は憎む相手を間違えた」という事実だった。

あのとき、彼を山へ連れていき、彼を悪魔に変えたの...

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