第460章

巌谷研一はどうにも読み切れず、胸騒ぎを抱えたまま宝のそばを離れなかった。一晩中、まんじりともせずに。

薄井宴もまた眠れなかった。藤堂光瑠を寝かしつけると、そのまま書斎へ向かい――朝までずっと、そこで手を動かしていた。

そして翌朝。

藤堂光瑠が目を開けた瞬間、視界いっぱいに飛び込んできたのは、大きな花束だった。

いや、違う。

花じゃない。お金だ。

……お金?!

光瑠はびくっと跳ね起き、慌てて目をこする。もう一度、確かめる。

やっぱり――お金。

しかも、ものすごい量。

光瑠の大きな瞳が、まんまるに見開かれた。

「……!」

ベッド脇には、濃紺の丸首ルームウェア姿の薄井宴。片...

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