第469章

巌谷研一が宝を連れて帰ったあと、次郎はすっかり機嫌を損ねていた。

薄井宴に食ってかかるように、眉をきゅっと寄せて言う。

「なんであいつに宝を連れていかせたんだよ。昨日みたいにして、宝をここにいさせればよかったじゃん」

薄井宴は淡々と答えた。

「宝は今、いちばん巌谷研一が好きだ。一晩会えないだけで恋しくなる。ウサギで釣って一晩引き留めるくらいならいいが、長くやれば宝が不幸になる」

巌谷研一についていけば、小さなペットの悠が心配になる。

ついていかなければ、今度は巌谷研一のことが気がかりになる。

だったらいっそ、宝が笑っていられるほうがいい。悠を抱っこしたまま、巌谷研一のところへ行...

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