第480章

朗報は、巌谷研一が残したあの金庫が掘り出せたことだ。傷ひとつなく、完全な状態で。

中の資料はすでに回収済みで、いま壱号公館へ向かって運ばせている。

悪い知らせは――謎の男が逃げた。

密林の奥で奴の乗った機体が墜落し、爆発。現場に遺体は見当たらない。つまり、落ちる前にパラシュートで飛び降りたんだろう。

通話を切ると、薄井宴は眉を寄せたまま圭人のパソコン画面へ身を乗り出した。

「ここで墜ちたのか?」

「うん!」

圭人が地図を拡大する。

「余計な被害を出したくないってことで、警察も強硬策は取らずに、降りたところを確保するつもりで待ってたんだ。でも……結局、逃げられた」

悔しさを噛...

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