第494章

藤堂光瑠は薄井蘭を疑わしげに見つめた。表情は重い。

こんな重大なことを、どうして彼女が知っている?

ここ数年、薄井宴は犯人を追い続けてきた。それでも手がかり一つ掴めていない。なのに、薄井蘭だけが知っているなんて――。

「犯人は誰?」

薄井蘭は言った。

「先に私のお願いを聞いてくれたら、教えるわ」

藤堂光瑠は眉を寄せる。

「……じゃあ、お願いって何?」

次の瞬間、薄井蘭の目元が潤んだ。藤堂光瑠を数秒見つめたかと思うと――

どさり、と床に膝をついた。

藤堂光瑠はぎょっとする。

「ちょ、何してるの! 早く立って!」

薄井蘭はそのまま地面に跪き、泣きながら訴えた。

「光瑠…...

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