第12章:彼女をベッドに連れて行く

彼女の頬を涙が伝い落ちていた。「私の命を救ってくれた。弟の命も。私の夢も、未来も。今の私があるのは、これからの私がなれるのも、全部あなたのおかげなんです」

私自身の目も熱くなるのを感じた。ケイトは私に飛びつき、まるで命綱にすがるようにしがみついてきた。

「セーブル、あなたがいないと無理です。あなたはまるで……私がいなかったお姉さんみたい。ずっと夢見ていた指導医(メンター)。私のヒーローなんです」

「ちょっと、もう」私は優しく彼女の髪を撫でた。「ヒーローについてなんて言われてるか知ってる? 彼らはただ、自分のひどい決断がうまくいくかどうかを見届けるまで、しぶとく生き残ってるだけの人たちなの...

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