第20章:最後の贈り物

ありありと目に浮かぶ。二年間、そこには額縁が掛かっていた。私たちの関係の節目を刻んできたものだ。だが今はもうない。カミラの荷物を置く場所を作るために、取り払われてしまった。後に残されたのは、一本の釘だけ。まるで、ダレルの人生における今の私を突きつけるかのように、鋭く、寂しげに。

『使い捨て』

慎重に傷口を洗う。消毒液が焼きつくように沁みて、思わず顔をしかめた。だが、この肉体的な痛みなど、胸の奥の疼きに比べれば何でもなかった。

居間に戻り、カーペットの上にあぐらをかいて座り込んだ。ベルベットの巾着袋を取り出し、砕けたサファイアの破片をクリーム色のラグの上に慎重に空ける。目の前に広がったその...

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