第22章:彼女は何でもない

「何かとんでもなく恐ろしい罰を考えないとな。ネットフリックスの強制一気見に、山のようなテイクアウト料理とか」

「あら大変」私は真顔で返した。「快適さとリラックス以外なら何でもするわ」

「ほら見ろ? 俺ってすごく怖い男だろ」

私はホテルのスイートルームにあるふかふかのソファに体を丸め、携帯を耳に押し当てた。「わかった。あなたの勝ちよ」

「よかった。……それと、サビ?」

「なに?」

「今夜何があったにせよ――もう君ひとりで抱え込まなくていいんだからな」

彼の言葉に込められた約束に、こらえきれない涙で喉が熱くなった。

通話を切った後、私は携帯を見つめて座っていた。ここ数日で初めて、心...

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