第50話彼女の名前で僕を呼んで

全身の筋肉が強張った。指の関節が白くなるほど、受話器を強く握りしめる。

「何の用?」

ダレルの声は、まるで泣いていたかのように震えていた。「なんでブロックしたんだ? 三年も一緒にいたのに、こんなふうに……ただ切り捨てるなんてできるのか?」

喉の奥から苦々しい笑いが漏れた。「切り捨てる、ですって? キープ扱いされるのを拒否したら、そう言われるわけ?」

「俺が悪かったのは分かってる」彼は必死に言葉をまくし立てた。「ごめん、本当に、神に誓って申し訳ないと思ってる。カミラと一緒にいるところなんて、君に見せるべきじゃなかった。もっとうまくやるべきだったんだ」

「うまくやる?」私の声は、恐ろしい...

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