第81話恥ずかしい気持ち

翌日、父さんの運転でブラックウッド邸へと向かった。

父さんによると、ヴィクトリアが急に体調を崩し、今夜の夕食会には出席できなくなったらしい。彼女とデイジーは二人とも家に残ることになったという。だが、本当の理由はわかっている。ヴィクトリアはまだ私との口論に腹を立てていて、私と顔を合わせたくないだけなのだ。

エントランスにはカエランが立っていた。玄関から漏れる暖かな光が、彼の長身のシルエットを浮かび上がらせている。目が合うと、その眼差しに馴染み深い温かさが広がった。

車を停めると彼が歩み寄り、私が手を伸ばす前にドアを開けてくれた。

「ロドリゴ」彼は父と握手を交わし、それから私に向き直った。...

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