第167章 休みが欲しい

学園祭の夜会は、白石京明の突発的な事故のせいで、思いがけない幕引きになった。

荻原和夏と冴島零は、予定より早く会場を後にした。

車内には、しんとした沈黙が落ちていた。

運転席のクリスがバックミラー越しにちらりと二人を窺う。どうにも空気が微妙だ。

その静けさを和らげるように、クリスが口を開いた。

「何か音楽でもお流ししましょうか?」

「そうだな。少し落ち着いた曲を頼む。今日は、うちの妻の機嫌がよさそうだからな」

冴島零はそう言って、隣の荻原和夏に目を向けた。

その顔には、うっすらと笑みが浮かんでいる。

荻原和夏は頬を赤く染めると、照れ隠しみたいに冴島零の胸へもぐり込んだ。

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