第21章 親友の方法

冴島零は車を高級マンションの前に停めた。

二人で降りると、零はごく自然に荻原和夏の手を取り、目の前に並ぶ棟を指さす。

「ここ、全部うちの一族の持ち物なんだ。富裕層向けに作った、カスタム仕様のレジデンスってやつ。環境も悪くないし、気に入って一部屋だけ残しておいた。たまに戻ってきて、一泊したりする」

和夏はこくりと頷いた。どこに住むかには特にこだわりがない。けれど、零に握られた手を見て、少し迷って……すぐには振りほどかなかった。

冴島家の荘園で、零が彼女のために冴島羽美へ言い返してくれた。あれで、胸の奥に溜まっていた棘が、少しだけ抜けた気がしていた。

零はマンションを説明しながら、盗み...

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